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2022.01.12

レポート| 障害者週間に相応しく「まるっとみんなで映画祭」

先月12月4日の土曜日、theGreenを会場にして行われた「まるっとみんなで映画祭」。演劇・ダンス・映画・メディア芸術を対象に、バリアフリー対応を施し送り届けるオンライン型劇場「THEATRE for ALL」主催のイベントで、障害者週間(12月3日〜9日)のこの週末にあわせて開催されました。

日の短い12月、当日も16時半頃に日没を迎えたものの、暗くなってからがいよいよこの日の本番でした。しばふひろばに設けられた大きな特設スクリーンで映画や映像に触れるひとときは格別だったようで、この日来場したあらゆる人がすっかり夢中に。

まず17時台からは『シナぷしゅ』『もるめたも』『ぼくたちものせて!』『まるっとみんなで、ももたろう』の計4作が上映。しばふひろばの好きな場所に座り込めば、そこがそのまま自分の席になる、そんな「しばふシアター」スタイルでの上映が、ソーシャルディスタンスをとりつつなされました。

次いで18時台からはドライブインシアター。スクリーンはそのままに、しばふひろばの背後に控える駐車場から車中で映画を鑑賞するスタイルで、アカデミー賞®︎受賞作『ぼくと魔法の言葉たち』が上映されました。

*上映作品のラインナップの詳細はこちら

この日上映された作品に共通していたのは、障がいの有無や言語の理解に関わらず楽しめるものであったこと。

例えば、言葉を伴わない“ノンバーバル”な作品があること。またそれ以外では日本語字幕や日本語吹き替えで観る選択肢に加え、場面ごとに情景等をつど音声で伝える「音声ガイド」を選んで楽しむこともできる、といった具合です。

当日会場で配布された「コミュニケーション支援ボード」。常日頃から持ち歩けば、きっとふいに活躍する機会が

上映スタイルもまた同様で、「しばふシアター」(自席を立って歩き回るのも、声を出すのもOKという“フレンドリー上映”にて実施。また車椅子用エリアも)、「ドライブインシアター」(来場者各自、プライベートな車内空間で自由に過ごせる)ともに、この日の趣旨にかなったものです。

制作プロセス自体がインクルーシブだったのが『まるっとみんなで、ももたろう』。日中会場に設けられた「お絵かきテーブル」にて、歌詞アレンジされた唱歌『ももたろう』の物語に沿って子どもたちがお絵描き。それに動きや音楽がつけられた5分のアニメ作品でした。

鬼は退治せず、みんな仲良く。アレンジ歌詞に基づいて取り組んだお絵描き・塗り絵ではtheGreen内「千葉ニュータウンナーサリースクール」に通う子どもたちも参加。おまけに曲中の歌も吹き込みました

会場には、theGreenにアートスタジオも構える「いんば学舎・オソロク倶楽部」の所属メンバーによる各種イラストも

上映作がしみじみと内なる感動を誘ったドライブインシアター

野外イベントとしてはこの日限りでしたが、「まるっとみんなで映画祭」は今現在、オンラインプログラムとしても引き続き開催中のもようです。あらゆる人が等しく参画する社会を目指す機運の高まりを、この機会を通じ楽しみながら感じてみるのはいかがでしょうか。

イベント概要

THEATRE for ALL presents まるっとみんなで映画祭
日時:2021年12月4日(土)11:00〜20:10
会場:theGreen(千葉県印西市鹿黒南5-1)
主催:株式会社precog、まるっとみんなで映画祭実行委員会(株式会社precog、一般社団法人DRIFTERS INTERNATIONAL)
助成:文化庁 ARTS for the future!
協力:theGreen、いんば学舎・オソロク倶楽部、ほっぷ(いんば学舎)、千葉ニュータウンナーサリースクール、株式会社ミライロ、MOTION GALLERY
シアターサポート:Do it Theater / アートディレクション:清水貴栄 / 題字・グラフィックデザイン:美山有 / イラスト:汾陽孝俊 / 会場装飾:安藤僚子(デザインムジカ)

<オンラインプログラム>
日程:2021年12月4日(土)〜終了時期未定
会場:「THEATERE for ALL」 HP
内容:動画配信、オンラインイベント、記事 他